学力と睡眠不足の関係

中学生や高校生でも学力と睡眠には関係があるのでしょうか?

アメリカの高校生の睡眠と成績との関係を調査した結果があります。この調査では、平日の就寝時刻が早くて睡眠時間が長いほど、成績がよいといったデータが出ています。

また、百マス計算で有名な陰山英男氏も、早起き早寝などきちんとした生活習慣が身についていないことが学力低下の根本原因になっていると、家庭での生活習慣のしつけの重要性を訴えています。

寝る前に勉強した内容は、その後の睡眠によって確かな記憶になることは明らかになっています。

ドイツのリューベック大学の研究チームは、単語のリストを覚えてもらって再テストするという実験を行いました。

リストを覚えてもらった後寝た人の方が、寝なかった人よりも、再テストの成績がよいという結果でした。

つまり、夜、勉強しても徹夜するとすぐ忘れてしまうけれど、その晩ちゃんと寝れば、翌朝もしっかり覚えているというわけです。

また、同じ研究チームは、睡眠とひらめきとの関係についても実験をしています。まず、寝る前にゲームをします。

そのゲームにはあるルールが隠されていて、そのルールを当てるのです。つまりひらめきが必要なのです。その8時間あとに再びゲームをします。

その8時間の間寝た方のグループは、寝なかった方のグループに比べて、2倍以上のひらめき度を示したのです。

少子化にもかかわらず中学受験人口はますます増えて、塾に夜遅くまで通う小学生も多く見かけます。

寝る間も惜しんで勉強に励んでいる受験生のお母さん、睡眠のメカニズムから考えても、勉強をした後しっかり睡眠をとったほうが効率はよいようです。

昼間体を動かすと脳が活性化する

昼間の運動量と脳の活性化の関連が専門家の間で注目されています。

動物実験では、脳細胞が傷むようなさまざまな状況になっても、運動することで細胞が傷つくのを防ぐ働きが増すということが確認されています。

また、運動によって学習効果を高めたり、認知機能の低下を防いだりする働きもあるのだそうです。

認知症の一つであるアルツハイマー病になる、ならないは中年期の運動量に左右されるといわれています。

中年期に運動をしていない人は、している人に比べてアルツハイマー病になる危険性が高まるというのです。

運動することで、認知症患者さんの認知機能が低下する危険を減らすことが証明されています。

また、運動量と睡眠習慣にも密接な関連があります。

1歳6ヵ月の子どもに、アクチウォッチという、活動量を測る万歩計のようなものを腕につけて、活動量を測た結果があります。

①夜更かし朝寝坊型の子ども
②早寝早起きの子ども

それぞれの活動量を比べてみると、早寝早起きの子どものほうが、昼間の活動量が多いことがわかります。

さらに、外遊びをしている時間が多い子どもは早寝なこともわかっています。

活動量が多いから、早寝早起きになるのか、その逆に、夜更かしだから朝寝坊で活動量も少なくなるのかはわかりませんが、昼間の活動量と、睡眠と覚醒のリズムには切っても切れない関係があるのです。

また、昼間の運動量が減ってしまうと、セロトニンの働きも落ちてしまい、イライラしてキレやすくなることも心配されます。セロトニンの活性を高めるためにも、運動は大切です。

脳を発達させ情緒を安定させるためには、体を使った運動が必要であるということは、意外に知られていないのではないでしょうか。

今の子どもたちは、昼間くたくたになるまで体を使って遊ぶ機会が減り、代わりにゲームなど、頭を使った遊びが増えています。

遊びが子どもを育てるといわれますが、体を動かさない遊びばかりしているとどういうことになるのか、ちょっと考えさせられます。

長時間のテレビは子どもの発達に悪い

子育て中のお母さんにとって、テレビやビデオは忙しいときに、子守をしてくれる手放せない道具という家庭も多いでしょう。

でも、テレビやビデオを長時間見せていると、さまざまな弊害も出ることが危惧されています。

4ヵ月、7ヵ月、1歳半の子どもを持つ人を対象に行った調査では、授乳中や食事中にビデオやテレビがついているという家庭が8割を超えていました。一日中テレビがついているという家庭も結構あるようです。

そして、テレビがついている時間が長いほど、子どもが寝る時問が遅くなるようです。長時間のテレビやビデオの視聴は夜更かしを招くということです。

テレビやビデオの攻撃的な場面などを見ることで、そういう情報が直接的に脳にインプットされてしまうことも心配です。

アメリカでは、小さいころに攻撃的な場面ばかり見ていた子どもを15年後調査したところ、非常に攻撃的な性格の持ち主が多かったという報告もあります。

この問題については放映時間帯などの対策が講じられています。

また、テレビやビデオばかりに子守をさせていると、親子のコミュニケーションも減ってしまいますね。

子どもを寝かせるアイデアを募集したところ、授乳中に携帯でメールをしていると子どもがよく寝てくれると答えたお母さんがいたそうです。

これは、安心してよく寝ているのではなく、お母さんとのコミュニケーションが完全に遮断されてしまっているから寝るしかないのでしょう。

テレビやビデオにばかり子守をたのまず、目と目を見てコミュニケーションをしっかりとりましょう。

日本小児科医会では、2歳まではテレビやビデオの視聴は控えよう、授乳食事中はテレビやビデオをつけるのはやめよう、テレビやビデオを見るのは1日2時間までにしよう、といった提言も出しています。

実際、3歳のころ11時過ぎに寝ていた子どもを、夕食以降はテレビをつけないと決めて、夕食→お風呂→歯磨き→寝床で本を読んであげる→就寝という習慣づくりに成功して、6歳現在、夜9時までには必ず寝るようになったという例があります。

子どもの生活リズムを直すのは、親の決意しだいなのかもしれません。





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